SSブログ

一人の少年 一人の日本人 9話

ベレンに到着。町を軽く歩いてみよう・・・       

   

「えっ!マナウス行きの船は、明日、出発なの?」 「そうだね!明日しかない!」 チケット売り場のおやじが言った。まあいいかーチケットをだいぶ安くして買ったつもりだったが、ダフ屋みたいな連中が船着場周辺にはいっぱいいて、船の写真とともに券を売っていた。 少しぶらつくか、ホテルに荷物を置き、ベレンの町を歩いてみる。また、ずいぶんサンパウロとは違う。露店の数が多い、いろいろな物を売ってる。電池やらラジオ、時計、アクセサリー、こちらいはこちらで独特の不陰気がある。 とりあえず、あちーな、そうだアマゾンン川を見に行こう。船着場から少し離れたところにすわり、広大な海と神秘的なアマゾン川が交わろうであろう。中間点らしきところを、見ていた。
やっぱでけーオレは大きな声で叫んだ。こんなところまできちゃった。もう、後戻りは出来ねーな。海の水を飲んでうんしょっぱい!気合をいれる。 まだ、ブラジルにきて2週間ぐらい、これから危ない事があるかもしれない。自分の身は自分で守らなければ! さあ行こう。

 一人の少年と出会った。

名前は覚えていない。 「ねえ!そのカメラでお前を撮ってやるから貸せ」と行ってきた。 バカかお前そんなんもって逃げるんだろうが、しきりにカメラを触りたがる触るな、オレに近づくな! かわいそうなようだが、今の、オレには、こうする事で自分を守る事で精一杯だった
こんな、ちいさな子供でも、なにか、たくましいオーラを放っているんだよ、隙を見せたらやられると感じた。 
彼は、俺の家に招待するといってきた。どこにあんだよ。「少し遠いよ!ほら、あそこからバスで20分くらいの所だよ。」 ぜってー行かない。 オレは行かない。心の中で何回も何回も念じる。 じゃいいよベレンの町を案内してあげると彼は言った。よし!分かった案内しろ!でも、オレから離れろ!彼の目線がちょうどオレの腰ぐらいにあり、サイフに手を伸ばそうと思えばすぐに伸ばせるところにある。この人ごみの中ですられたら・・・常に拳はグーの状態だった。いつでもなにがあっても、すぐやり返せるように! そんな危ないのと聞かれたら多分そんな危なくない。しかし、油断はしないほうがいい。 今、思うとあれでよかったのだと思う。 ベレンで会った一人の少年。 彼にはオレは金持ちの日本人としか見ていないだろう。明日はオレの顔を覚えていないだろうし、また、他の観光客に話しかけてるんだろうな。 でも、今度、行くときはオレを一人の同じ人間で見てほしいと思った。 そのためには、オレがかわらないといけない。 ベレンでの忘れられない体験となった。

         


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行・地域(旧テーマ)

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。